大晦日までの僅かな期間にだけ立つ「細蟹の市」。そこで手に入らないものはないという。赤腹衆のサザは市の守り人として、治安維持を担っているが、市そのものが少しずつ衰退しはじめていた。そんな折、市に大道芸人の父娘が流れてくる。彼らはある呪いを解くため、「うろくづ」という不思議な道具を探し求めており――。
鳴夜
夜宵