世界の行く末より、僕と彼女のムスメの未来。
中ニ病×ぼっち=主人公
改めて周囲を見回すと、作業を行っていないのは、もはや僕ぐらいになっていた。僕は、一人。この教室で、たった一人。その事実に気付いた途端、ずん、と急に口の中から重りを突っ込まれたような感覚になった。周りからは苛立つ程に楽しげな声が幾つも上がり、腹立つ程に大きな笑い声が僕の鼓膜を痛い程激しく揺らした。
「圏内で、僕と戦え」「……理由は?」
自分の携帯で、自分の携帯番号に電話を掛けると行けるという、「圏内」と呼ばれる異世界。圏内最強の女帝として君臨した嘯樹(うそぶき)の忘れ形見である一人娘・灯を、世界の再構築を目論む水嶋の魔手から護ろうと奮闘する光宮だが、現実世界では友達のいない孤独(ぼっち)な大学生活を送っていた。唯一気さくに声をかけてくれた同級生・在無が、ある日「デイストーカー」と呼ばれる殺人鬼に殺される。連続殺人事件の捜索に乗り出した光宮親子だが……!?
「現実世界じゃ、僕は弱いからだ」
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