犬のリンデがおしえてくれた、生きることの、たしかさ。
だいすきなママを事故で亡くし、自分をうしないかけた少年リロと、飼い主のおばあちゃんを亡くし、リロの家にやってきた大型犬リンデ。死と生を、やわらかく問いかける、秋から冬への物語。
……でも、ひとにはそれぞれ、じぶんの「階段」があるんだ。リロは、ゆっくりとじぶんにいいきかせる。それは、ママが亡くなって、砂嵐におそわれたリロのもとに、半年間かよってくれた心理療法士のおばさんの言葉だった。それぞれの階段は、ほかの子と大きさや長さをくらべるためではなく、じぶんのつかいかたで、だいじにつかうためにあるのだそうだ。リロは、じぶんの階段をだいじにしようと思う。それは、まずはガメンとのたたかいに勝つことだ。――<本文より>
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