サンカ、家船、遊行者、遊芸民 漂泊に生きた人びとに出会う。
五木寛之と、賤民文化研究の第一人者による、日本文化の深層を掘り起こす熱き対談。
日本には、士・農・工・商・穢多・非人、という身分制度からはずれて生きるマージナル・マン(周縁の人)がいた。山の漂泊民「サンカ」、海の漂泊民「家船」、「遊行者」、「遊芸民」……。厳しい差別を受けながらも、豊穣たる文化を育んできた彼らの、虚像と実像に迫る。
<著者のことば>
サンカと呼ばれていた人たち、そして遊行者や遊芸民など、いろんな生業をやっている漂泊の民が、この列島の各地を流動して暮らしていた。そして、あたかも体の中を巡っているリンパ球のように、定住民の村や町を回遊していたわけです。そういう人たちによって、この日本列島の文化というものが広められ、またたえず活性化されていたのではないか、というのが、ぼくの年来の幻想なのです。
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