内容紹介
23歳の美緒には、大好きな彼の健太郎がいる。かっこよくて、優しくて、結婚するんだろうな、と思っている彼が。――しかし、ついサスケと寝てしまった。健太郎と一緒にいるのが絶対に幸せだし、なにより健太郎のことを美緒は好きなのだ。それでも、サスケのことも好き――そんな身勝手な美緒とサスケの恋は、次第に様相が変わる。あるひとりの女の、身勝手で未熟で生々しくも鮮やかな、恋愛大河叙事小説。
『るり姉』『しずかな日々』『その青の、その先の、』――心の襞を描く作家・椰月美智子が贈る「生きた」恋愛大河小説。
二十三歳の美緒には、大好きな彼の健太郎がいる。かっこよくて、優しくて、結婚するんだろうな、と思っている彼が。
――しかし、ついサスケと寝てしまった。
サスケは、実は健太郎と美緒ともともと同僚だった男の子。確かに話が合うし、一緒にいて楽しいし、昔から仲はよかったけれど、その頃は同じ会社の彼女がいた。健太郎の方がイケメンだし、育ちがいいし、家族も仲がいい。健太郎と結婚するのが、絶対に幸せだし、なにより健太郎のことを美緒は好きなのだ。それでも、サスケのことも、別に好きなのだ。
そしてサスケは、健太郎という彼がいるけれど、自分には今特定の彼女はいないけれど、美緒のことが大好きなのだ。
いいじゃない、気が合う同士、会いたいもの同士、会ってるだけなんだから――。
しかしそんな身勝手な美緒とサスケの恋愛は次第に、様相が変わり始める。
好意、愛情、執着、秘密、嫉妬……。人を好きになる気持ち、好きでいる気持ち、恋愛の感覚全てが書きとめられた、恋愛小説の真骨頂。 あるひとりの女の、身勝手で未熟で生々しくも鮮やかな、恋愛大河叙事小説。
目次
- プロローグ
- 1 はじまりはじまり
- 2 主となる登場人物紹介
- 3 株式会社カワグチ部品工業
- 4 それぞれの日曜日
- 5 夏のはじまり
- 6 再会
- 7 ベストフレンド
- 8 それぞれの夏
- 9 秋の到来とサスケの初恋話
- 10 嫉妬
- 11 昔の友達
- 12 恋のはじまり
- 13 年末年始
- 14 複雑さとか葛藤とか
- 15 再び恋
- 16 映子
- 17 奥津と、奥津の周辺
- 18 サスケの決意と、美緒の勝手すぎる手紙
- 19 健太郎の怒り、美緒の羞恥
- 20 決戦は日曜日
- 21 転機らしきもの
- 22 健太郎の思い
- 23 春。セックスへの姿勢
- 24 決定打
- 25 営業課との飲み会
- 26 健太郎との別れ
- 27 純一、映子、宇多川かおる、栗原とのデート
- 28 動き出した恋
- 29 その後のいろいろ
- 30 走り出す恋。それぞれの
- 31 美緒の黒い感情と、かおる&ヤツガシラ
- 32 美緒の誕生日
- 33 その後の奥津、かおる、純一
- 34 前夜祭と、黒い感情の消滅
- 35 出発前
- 36 鳥羽水族館
- 37 伊勢神宮と残酷焼きとハートマークな夜
- 38 旅の終わり
- 39 夏の終わり。映子、かおる、奥津、健太郎
- 40 健太郎現る
- 41 美緒しっぽを振る。サスケ憤る
- 42 サスケの告白。衝撃の美緒
- 43 ジェロニモについて
- 44 美緒の絶望。サスケの後悔
- 45 妄想パレード
- 46 美緒のシェルター
- 47 美緒の吐き気について
- 48 健太郎、再起
- 49 『かっぱ』にて
- 50 その後のいろいろII
- 51 灰色の影、及び伏線
- 52 生まれ変わった宇多川かおる
- 53 サスケと美緒それぞれの情事、じゃなくて事情
- 54 突然のプロポーズ
- 55 物語は急展開の様相を見せはじめる
- 56 物語は急展開の様相を見せはじめる その後
- 57 そして物事は収束に向かう。善くも悪くも
- 58 しおりという女
- 59 これまでのいろんなことに比べると、あっけなさすぎる結末
- 60 その後のいろんなこと
- エピローグ
製品情報
製品名 | 恋愛小説 |
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著者名 | 著:椰月 美智子 |
発売日 | 2014年09月12日 |
価格 | 定価 : 本体870円(税別) |
ISBN | 978-4-06-277918-0 |
判型 | A6 |
ページ数 | 560ページ |
シリーズ | 講談社文庫 |
初出 | 2010年11月に小社より単行本として刊行されました。 |