内容紹介
若い修行僧はなぜ火を放ったのか。「金閣寺焼失事件」に心を奪われ、共に事件を題材に作品を書いた三島由紀夫と水上勉。生い立ちから気質まで、すべてが対照的な二人を比較すると、金閣寺の蠱惑的な佇まいに魅入られずにいられない日本人特有の感覚まで見えてくる。著者ならではの分析眼が生きた文芸エッセイ。
「金閣寺焼失事件」に心を奪われた作家・三島由紀夫と水上勉。
生い立ちから気質まで、対照的な二人を解剖。面白すぎる新・文芸評論!
目次
はじめに
「あの物語」だったのか!
金閣寺
義満と三島の金ピカ趣味
なぜ金閣に火をつけたのか
二人の作家が見た、全く異なるもの
母と故郷
水上勉の故郷
林養賢の故郷
三島由紀夫の故郷
表日本と裏日本
寺と戦争
三島由紀夫の場合
水上勉の場合
禅というもの
美と女
童貞小説「仮面の告白」
水上と養賢の「五番町」
童貞喪失以降
美というもの
生と死
「生きようと私は思った」
「生きて、生きて、生き抜きたい」
三人の死
おわりに
「隠す人」三島、「見せる人」水上
荒野と汁田──日本人の二つの感覚
あとがき
製品情報
製品名 | 金閣寺の燃やし方 |
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著者名 | 著:酒井 順子 |
発売日 | 2014年02月14日 |
価格 | 定価 : 本体560円(税別) |
ISBN | 978-4-06-277750-6 |
判型 | A6 |
ページ数 | 256ページ |
シリーズ | 講談社文庫 |
初出 | 講談社創業百周年記念書き下ろし作品として、2010年10月に単行本として小社より刊行された。 |