内容紹介
名作「マノン・レスコー」には、なぜかマノンの肉体に関する描写がない--会社合理化のため80人近くのリストラを行い神経を尖らせて退社。その後、膠原病で入院中、娘に朗読してもらったフランス文学に関しての気づきは、やがて主人公の故郷で起きた奇妙な心中事件の新聞記事や調書と共に官能的な迷宮を紡ぎ始める……。幾重にも折りたたまれた謎は、小説の可能性を探り、読書の快楽を呼び覚ます。(講談社文庫)
『マノン・レスコー』には肉体の描写がないーー発熱が続くゆえか、入院中に娘に朗読してもらった名作に思いもかけない特徴を探り当てた神経は、故郷和歌山で起きた奇妙な無理心中事件の新聞記事や調書の行間に何を見いだすのか。表題作をはじめ、官能の迷宮としての小説の可能性を切り開いた意欲的作品集。
目次
- 片瀬江ノ島
- マノンの肉体
- 戸外の紫
製品情報
製品名 | マノンの肉体 |
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著者名 | 著:辻原 登 |
発売日 | 2008年05月15日 |
価格 | 定価 : 本体571円(税別) |
ISBN | 978-4-06-276048-5 |
判型 | A6 |
ページ数 | 232ページ |
シリーズ | 講談社文庫 |
初出 | 1994年8月に小社より刊行 |