恋の切り札を切るのは、いつも私…… 家族思いの父、美人の母、気のいい姉に囲まれ、だが万穂子(まほこ)は心に鬱屈を抱えて育ってきた。19歳、27歳、32歳、それぞれのラブ・アフェアの中で、彼女は常に誰かの切り札(ジョーカー)になってしまう。 他人を傷つけ、自ら傷つきながらの恋愛に、救いの時は訪れるのか? 恋愛小説の名手が描く、個人と家族、愛と孤独の変転の物語。