天明6年、田沼意次(おきつぐ)が失脚、将軍家治(いえはる)も没し、飢饉と政権の空白に、江戸は一触即発の危険を孕んでいた。馬庭念流の遣手、影井誠一郎は、心ならずも幕閣派のかつての友をひと太刀で倒した。その時から、誠一郎は次期政権をめぐる暗闘の渦中へ引き込まれ、松平定信を推す沢井小平太を守るため、剛剣を振るう!