男子の本懐とは何か、武士の誉れはここにあり 愚直なまでに武士道を貫き通し、勘定奉行となった男の栄光と挫折 「予はいずれ老中になる。そちは、勘定奉行じゃ」15歳の田口喜行は1つ年上の水野忠邦にそう見込まれるが、やがて2人は別々の道を歩み始めた。弱小旗本から勘定奉行にまで異例の出世を果たした喜行の愚直なまでの生き方を通して、武士の本懐とは何かを追求した歴史長編。第2回中山義秀文学賞受賞。