江戸時代、八丈島は配流の島だった。延べ1800人を超す流人のなかには理不尽な施政の犠牲者も数多い。文化14年、斎藤守孝は流罪となった父の付き添いとして渡島した。以来赦免となるまでの25年間、閉塞された島で展開する愛憎の日々を抱擁力豊かな筆致でつづる傑作長編。第4回時代小説大賞受賞作。