日本人の精神源流を読み解く
悩める現代人のこころのふるさとを求めて
10人の碩学が神道から仏教、キリスト教、イスラム教までの宗教観の系譜を語り尽くす!
世界に悲しい事件が絶えないように、われわれの生命の深層にも声にならない悲哀の旋律が流れはじめているのである。
そういえば神の栄光をたたえるレクイエムや賛美歌にも、その悲哀のメロディーが流れていた。地の底をはうようなコーランの詠唱にも、そして菩薩の慈悲に与ろうとする声明やご詠歌の旋律のなかにも、それは絶えることなく流れつづけている。悲しみのなかの共生、という言葉がふと浮かぶ。悲哀のなかの連帯というイメージが、いまさらのようによみがえる。しかし本当のところをいえば、これこそがそもそも宗教の原風景というものだったのではないか。――<「序にかえて」より>
[主な内容]
日本宗教の源流 梅原猛(哲学者)
日蓮の思想 渡邊寶陽(立正大学名誉教授)
日本人の美意識と宗教 ドナルド・キーン(コロンビア大学名誉教授)
神道とは何か 工藤伊豆(神社本庁前総長)
宗教と心理療法 河合隼雄(文化庁長官)
法と宗教 中坊公平(元日本弁護士連合会会長)
仏教とイスラム教 森本公誠(華厳宗管長、東大寺別当)
「南無アッバ」への道 井上洋治(カトリック司祭)
禅の世界観 柳田聖山(京都大学名誉教授)
仏教と女性の影響 バーバラ・ルーシュ(コロンビア大学名誉教授)
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