年間3万人を超える自殺者。その10~20倍は未遂者がいる。「自殺してしまいたい」と「苦しみを止めてほしい。生きていきたい」という気持ちの間で激しく揺れ動く人たち。自分の周りに、もしそんな人がいるとしたら何が出来るだろうか。絶望の淵にいる人たちの叫びを受け止め、何とか生の側に引き戻すには? 自殺心理の第一人者が25年余にわたって取り組んできた衝撃的な未遂の実態を明かし、立ち直るための精神療法を紹介。
私を助けてください!
年間3万人を超える自殺者。その10~20倍は未遂者がいる。自殺心理の第一人者が25年あまりにわたって取り組んできた衝撃的な未遂の実態を明かし、立ち直るための精神療法を紹介する。
父親からひどい虐待を受け続け、「生きていても無駄」「自分の居場所がない」という強い感情が常につきまとっていた。
あるとき、インターネットで手首を切る人々のホームページを見て、自分と同じような境遇の人がいることに驚いた。そして、カッターナイフを手首に当てた。うっすらと切り傷ができたが、皮膚を浅く傷つけただけで血も出なければ、痛みもなかった。今度はもう少し深く切りつけた。血が滲んできたが、痛みを感ずるどころか、かえって、それまでの不安や緊張が一挙に薄れる思いさえした。――<14歳、A子さんのケース>
●私が出会った未遂者たち
●自殺未遂の実数・男女差・方法
●家族の病理が浮き彫りになる
●自殺者の9割が「こころの病」を抱えている
●「死にたい」が「生きたい」に変わるとき
●精神科医はいつも傍らにいる
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