内容紹介
この10年で航空管制は大きく変わりました。人工衛星を利用して空の道を作り、交通整理をすることで、かつて四国ほどの広さに1機しか飛べなかった空に、いまやその3倍以上が航行できるようになっています。本書では、宇宙技術を利用した最新の航空管制システムの全貌を、航空管制の原則や設備・装置、管制官とパイロットのやりとりなども交えて紹介します。
広いと思える「空の道」航空路は絶え間なく飛び交う航空機で意外にもラッシュ。その膨大な航空交通を支える重要な業務の1つが航空管制で、頻繁に離発着し飛び交う航空機が、安全にしかも効率よく航行できるように「交通整理」する仕事です。
この10年で、航空管制には人工衛星を使った技術が大幅に取り入れられ、大きく変わってきました。発展した宇宙技術が、はるか下、地球の対流圏や成層圏を飛ぶ航空機の交通整理にも活かされています。衛星を利用して空の道を作り、衛星を利用して交通整理をすることで、飛び交う航空機が安全に秩序正しく運航できるのです。
現在、日本発着の太平洋路線では、衛星を利用した自動管制が全便数の約半分に達しています。かつて四国ほどの広さに1機しか飛べなかった空に、いまやその3倍以上が航行できるようになっています。コンピューターを搭載し、人工衛星を利用して航行するハイテク機が、飛行の世界に革命をもたらしたのです。
本書では、宇宙技術を利用した最新の航空管制システムの全貌を、航空管制の原則や設備・装置、管制官とパイロットのやりとりなども交えて紹介します。
目次
- 第1章 国際線で見る最新の航空管制
- ――関空発シンガポール行き
- 1-1 空のハイウエイ「航空路」
- 1-2 まだ地上にある航空機の管制
- 1-3 離陸後の航空機の管制
- 1-4 洋上の航空管制
- 1-5 シンガポールによる管制
- 第2章 航空管制の原理・基準と道具
- 2-1 航空管制の原理を考える
- 2-2 時間・位置・高度の基準
- 2-3 位置・高度・方位の求め方
- 2-4 航空機と管制機関が共通して必要な装置
- 2-5 管制を受けるために必要な航空機の装置
- 2-6 慣性航法システム
- 2-7 航空機を管制するために必要な地上の設備
- 第3章 人工衛星を利用する航空管制
- 3-1 エリアナビゲーションを支える宇宙技術
- 3-2 計器着陸システム
- 3-3 目視による最終アプローチ
- 3-4 衛星利用のアプローチ
- 3-5 人工衛星を利用する管制機関-航空機通信
- 第4章 北太平洋上の航空管制
- ――成田発サンフランシスコ行き
- 4-1 成田発サンフランシスコ行きの航空管制
- 4-2 自動従属監視(ADS)による管制
- 4-3 アメリカによる国際航空路管制
- 4-4 アメリカ国内の航空管制
- 4-5 サンフランシスコ空港の進入・着陸管制
- 第5章 大陸上空の航空管制
- ――中部空港発フランクフルト行き
- 第6章 日本の国内線と有視界飛行の管制
- 6-1 日本の航空路と進入方式
- 6-2 伊丹発、函館行きの管制
- 6-3 有視界飛行(VFR)
製品情報
製品名 | 新しい航空管制の科学 宇宙から見守る「空の交通整理」 |
---|---|
著者名 | 著:園山 耕司 |
発売日 | 2015年05月21日 |
価格 | 定価 : 本体940円(税別) |
ISBN | 978-4-06-257916-2 |
通巻番号 | 1916 |
判型 | 新書 |
ページ数 | 256ページ |
シリーズ | ブルーバックス |
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