内容紹介
医薬品産業はビッグビジネスであり、世界の巨大製薬企業が巨額の開発費をかけて新薬開発にしのぎを削っている。しかし、ガン、アルツハイマー病、インフルエンザ、エボラウイルス病……特効薬は生まれていない。人類の歴史は、創薬の歴史でもあった。ところが21世紀に入り、新しい薬が生まれにくくなっている。本書はその原因に探りながら、「ドラッグ・リポジショニング」という、新しい視点からの創薬を紹介する。
医薬品産業は先進国が独占するのビッグビジネスであり、年間売上額が1兆円を超えるような巨大製薬企業(メガ・ファーマ)が巨額の開発費をかけて、新薬開発に日々しのぎを削っている。しかし、ガン、アルツハイマー病、インフルエンザ、エボラウイルス病……、私たちの病気への不安はいっこうに解消されない。
なぜだろう?
人類の歴史は、病気との闘いの歴史であり、創薬の歴史でもあった。ところが21世紀に入り、創薬が大きな壁に突き当たっている。いくら巨額な開発費をかけても、新しい薬が生まれなく(生まれにくく)なっているのだ。もし新しい薬ができなければ、私たちの未来は決して明るいものにはならないだろう。
本書はその原因に探りながら、その対策として「ドラッグ・リポジショニング」という、新しい視点からの創薬を紹介する。
目次
- 第1章 薬と創薬研究者
- 1-1 もし薬がなかったら
- 1-2 薬なくして、日本の発展なし
- 1-3 薬ができるまで
- 1-4 薬作りも役割分担の時代へ
- 第2章 ドラッグ・リポジショニングとは
- 2-1 「2010年問題」の本質とドラッグ・リポジショニングの背景
- 2-2 ドラッグ・リポジショニングのメリット
- 2-3 ドラッグ・リポジショニングはなぜ可能か
- 2-4 ドラッグ・リポジショニングの成功例と方法
- 第3章 温故知新創薬、ドラッグ・リプロファイリング
- 3-1 ドラッグ・リプロファイリングによる新薬開発
- 3-2 ドラッグ・リプロファイリングの方法
- 3-3 胃潰瘍を起こしにくい抗炎症薬の開発
- 3-4 新規アルツハイマー病治療薬の開発
- 第4章 ドラッグ・リポジショニングに関する国内外の動きとその推進への課題
- 4-1 先行する欧米のドラッグ・リポジショニング
- 4-2 欧米でのドラッグ・リポジショニングの問題点
- 4-3 ドラッグ・リポジショニングと社会制度
- 第5章 ドラッグ・リポジショニングの実例
- 5-1 テプレノンに関するドラッグ・リポジショニング
- 5-2 既承認薬ライブラリーを用いたCOPD治療薬の開発
- 5-3 既承認薬ライブラリーを用いたドライアイ治療薬の開発
- 第6章 これからのドラッグ・リポジショニング
- 6-1 ドラッグ・リプロファイリング技術の共通基盤化
- 6-2 既承認薬データベースの整備
- 6-3 疾患データベースの整備
- 6-4 インシリコ・スクリーニングとインシリコ臨床試験
- 第7章 スマートヘルスケアの提案
- 7-1 スマートヘルスケアなくして、21世紀の医療なし
- 7-2 ドラッグ・リポジショニングとDDS
- 7-3 健康食品によるスマートヘルスケア
- 7-4 運動や健康機器によるスマートヘルスケア
製品情報
製品名 | 創薬が危ない |
---|---|
著者名 | 著:水島 徹 |
発売日 | 2015年02月20日 |
価格 | 定価 : 本体900円(税別) |
ISBN | 978-4-06-257903-2 |
通巻番号 | 1903 |
判型 | 新書 |
ページ数 | 256ページ |
シリーズ | ブルーバックス |
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