内容紹介
身近にありながら、海面の下を見通すことができないために、深海は永く未知の世界であった。しかし、調査船などの進歩もあり、いま、深海は少しずつその真の姿を私たちの前に現している。深海大国・日本。ようやくわかりはじめてきた、その豊かで変化に富んだ海の姿を紹介する。(ブルーバックス・2013年7月刊)
東京湾のすぐ近くの相模湾の水深は1600メートル。さらに隣の駿河湾は水深2500メートルという深さ。どのくらいの深さを深海と呼ぶのかは厳密には決まっていないが、海洋生物学では水深200メートルより深い海と定義することが多い。地質学では水深2000メートルより深い海が目安となっている。どちらにせよ、日本の海はほとんどが深海である。
日本は小さな島国で、領土面積は世界61位にすぎない。しかし領海と排他的経済水域を合計した面積では世界6位である。水深5000メートルより深い海域の堆積では世界1位というデータもある。つまり、日本は「深海大国」なのである。
身近にありながら、海面の下を見通すことができないために、深海は永く未知の世界であった。しかし、調査船などの進歩もあり、いま、深海は少しずつその真の姿を私たちの前に現している。
深海大国・日本。ようやくわかりはじめてきた、その豊かで変化に富んだ海の姿を紹介する。
目次
- 第1章 深海底への旅
- 1-1 日本列島に刻まれた深海の記憶
- 1-2 日本の深海底を旅する
- 第2章 深海に眠る資源
- 2-1 メタンハイドレート
- 2-2 熱水鉱床
- 2-3 コバルトリッチクラスト
- 2-4 レアアース泥
- 第3章 深海の生物たち
- 3-1 日本近海の深海生物
- 3-2 深海生物を巡る旅
- 3-3 深海のオアシス
- 3-4 謎めく深海生物たち
- 第4章 深海と地球環境
- 4-1 地球の気候を支える海
- 4-2 深層水は地球を回る
- 4-3 二酸化炭素を吸収する
- 第5章 深海からみた東日本大震災
- 5-1 震源域の海底でなにが起きていたのか
- 5-2 海はよみがえるか
製品情報
製品名 | 日本の深海 |
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著者名 | 著:瀧澤 美奈子 |
発売日 | 2013年07月19日 |
価格 | 定価 : 本体800円(税別) |
ISBN | 978-4-06-257824-0 |
通巻番号 | 1824 |
判型 | 新書 |
ページ数 | 192ページ |
シリーズ | ブルーバックス |