内容紹介
病気やケガで右手が使えなくなっても、左を利き手にできる!現代のリハビリテーションは、障害があっても、残っている健常な心身の機能をとことん伸ばし、それを新しい能力にまで高め、1人の自立した人間としての新しい生活の確立をめざすのである。本書では、神経の再生や脳機能の再編成、あるいは心の立ち直りなどに関する新しい知見を応用して、人間の全面的な回復をはかろうとするリハビリテーション医学の最新の姿を紹介する
たとえ右手が使えなくなっても、左を利き手にできる!
病気やケガで右手を動かせなくなったらどうするか? 右手を元通りにしようとするのも1つの考えだが、いくら訓練してもうまくいかない場合が少なくない。そのときは、使っていない左手を訓練すれば、誰でも3カ月で字を書いたりハシを使えるようになる。このように現代のリハビリテーションは、障害があっても、残っている健常な心身の機能をとことん伸ばし、それを新しい能力にまで高め、1人の自立した人間としての新しい生活の確立をめざすのである。本書では、神経の再生や脳機能の再編成、あるいは心の立ち直りなどに関する新しい知見を応用して、人間の全面的な回復をはかろうとするリハビリテーション医学の最新の姿を紹介する。
目次
- プロローグ 半身をなくした紳士
- 1 新しい能力を開発する
- 1.リハビリテーションとは失った機能を取り戻そうとすることではない
- 2.文字は利き手でなくても書くことができる
- 3.手を使っても「歩く」ことができる
- 4.片手があれば、たいていのことはできる
- 5.口で字を書く
- 2 人間を助ける道具
- 1.義足
- 2.義手
- 3.装具
- 4.自助具
- 5.車イス
- 6.電動車イス
- 7.自動車
- 8.リモコンとコンピュータ
- 3 使わない機能は退化する
- 1.心身の機能は使わなければ退化する
- 2.関節はなぜ固まるか
- 3.筋肉自体も短くなる
- 4.骨も使わないともろくなる
- 5.床ずれも廃用症候群の1つ
- 6.全身性廃用症候群
- 7.そのほかの廃用症候群
- 8.早期臨床の大切さ
- 4 神経は再生する
- 1.骨はどのくらい再生するか
- 2.神経は再生する
- 5 脳の機能の再編成
- 1.神経細胞は再生しない
- 2.回復のための第2の戦略――機能の再編成
- 3.脳機能が回復する条件
- 4.脳卒中のときの脳の冒され方
- 5.真の機能再編成は1ヵ月後から
- 6.ミクロのレベルでは何が起こるか?
- 6 訓練はなぜ効果があるのか?
- 1.他動運動で拘縮を防ぐ
- 2.筋力を回復させるには――
- 3.起立性低血圧の予防と回復
- 4.中枢性麻痺の回復促進
- 5.原始的な共同運動を強める訓練は有害
- 7 精神の働きの復活
- 1.日本語が外国語のようになってしまう失語症
- 2.失行症と失認症――行為と認識の障害
- 3.痴呆(ぼけ)をどう理解するか
- 8 心の立ち直り
- 1.障害をもつことによる心の痛みの本質
- 2.障害の受容へのプロセス
- 3.「障害の受容」をどのように援助するか
- 9 最初から社会復帰を目標に
- 1.復職と職業復
製品情報
製品名 | リハビリテーション |
---|---|
著者名 | 著:上田 敏 |
発売日 | 1996年04月19日 |
価格 | 定価 : 本体1,000円(税別) |
ISBN | 978-4-06-257117-3 |
通巻番号 | 1117 |
判型 | 新書 |
ページ数 | 244ページ |
シリーズ | ブルーバックス |
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