風車、あざやかに、まわるまわる――
時が、人が、異形のものが、出会い、別れる場所。風変わりで、奇妙な下宿屋「松屋」の日常。
とある町の一角に、その建物は存在する。高く掛かった白い提灯に、書かれた文字は「松屋」。旅館のようにも料理屋のようにも見えるが、実は下宿屋である。風変わりなのは、建物だけではない。そこは、何かと何かが出会う場所。時が、人が、異形のものが、混じり、交差し、別れゆく場所。師走のある日、やってきた新しい店子は1人の少年。蓬原浩介、中学生。彼は、何に出会うために導かれてきたのだろうか――?
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