眠り続けろ、美しい獣よ――。漆黒の獣・銀流を失った一ノ瀬翠は、奇妙な焦燥にかられ、ひとり鎌倉を探りはじめる。けれど、次第に濃さを増す淀みは、やがて翠の能力にまで影響を及ぼしていく。いち早く事態を見抜いた式神使い・神戸天明(ごうどてんめい)さえも躊躇する「鎌倉城」の界域とは?そして、かつて、碧王丸の生命(いのち)を奪い、銀流を死地に赴かせた途轍(とてつ)もない何かが、いま、ふたたび目覚めようとしているのか……!?