「死」に魅入られて、どこにも行けない──。美貌の犯罪心理捜査官・大滝錬摩第二の事件簿! 男は恐れていた。「普通」とは違う自分を。耐え難く「死」に惹かれている自分を。少女は怒っていた。7歳の尊厳すべてをかけて、無理解な両親を。理不尽な運命を。そしてなにより、無力な自分を。男が少女と出会ったとき──2人は手に手を取って歩き出していた。灰色のビルに囲まれた街・東京を。それが「幼女誘拐」と呼ばれる行為であるとは考えずに──。