兄・英彰に肉親の温もりを求め、裏切られた成見は、仁科のもとで心の傷を癒していた。その矢先、仁科が何者かに階段から突き落とされ、怪我を負ってしまう。「俺……ここを、出る」 しゃくり上げながら、そう主張する成見。一番大切な人から離れなくてはならない──。すべては、弟に執拗な愛情をもつ英彰からの警告だったのだ。突然姿を消した成見に不安を抱く仁科は……