「このヒヨッコが、どうにか1人前みたいな顔で仕事してるんだな」エラソーな態度で声をかけてきた磯崎駿平(いそざきしゅんぺい)。俺、三紀の先輩であり、業界内では超有名な、花形コピーライターだ。今回、新作口紅のキャンペーン用の広告案を、この人と競うことになってしまった俺は、早くも戦々恐々(せんせんきょうきょう)としていた。ところが、先輩から突然、「コンペを降りる」という電話をもらって──!?