弟が失踪した。彼の妻・楓は、明るくしたたかで魅力的な女性だった。楓は夫の失踪の原因を探るため、資産家である弟の家族に近づく。兄である伯朗は楓に頼まれ協力するが、時が経てば経つほど、彼女に惹かれていく。
一九五八年大阪府生まれ。一九八五年『放課後』で第三十一回江戸川乱歩賞を受賞。一九九九年『秘密』で第五十二回日本推理作家協会賞を受賞。二○○六年『容疑者Xの献身』で第百三十四回直木賞を受賞。二○一二年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』で第七回中央公論文芸賞を受賞。二○一三年『夢幻花』で第二十六回柴田錬三郎賞を受賞。二○一四年『祈りの幕が下りる時』で第四十八回吉川英治文学賞を受賞。他の著書に『宿命』『白夜行』『時生』『手紙』『流星の絆』『赤い指』『新参者』『麒麟の翼』『マスカレード・ホテル』『夢幻花』『疾風ロンド』『ラプラスの魔女』『人魚の眠る家』など多数。