1945年8月9日、長崎の原爆で一瞬にして世を去った医学生の浩二。その3年目の命日、伸子の前に、幽霊になった浩二が突然姿を現す。再会を心から喜び合う二人。しばし続く至福の時とやがてやってくる煩悶の時……。戦争、原爆、その末の死という悲劇を味わいながらも、愛と慈しみ、ユーモアをも絶やさない2つの魂の物語。
2015年12月12日公開予定の松竹120周年記念映画「母と暮せば」(監督・山田洋次、主演・吉永小百合、共演・二宮和也、黒木華)を大人向けに絵本化! 文は、山田洋次監督自身によるもの。絵は、アートディレクターの森本千絵が描きおろし、実写映画とはひと味もふた味も違う、独自の作品世界が広がります。
1945年8月9日、長崎の原爆で一瞬にして世を去った医学生の浩二。その死を信じたくない母・伸子は、息子の「死んだ証拠」が見つかるまで陰膳を絶やさずにいた。そんな陰膳も、いよいよ今日で終わりにしようかと思った3年目の命日に、伸子の前に、幽霊になった浩二が突然姿を現す。愛する息子を抱きしめようとする母の腕が浩二の身体をすり抜けていく。それでも再会を心から喜び合う二人。それから浩二は、毎晩のように伸子の前に現れ、昔話をしたり、かつての夢を話して聞かせ母親を慰める。しかし、そんなある日、生前浩二の恋人だった町子のことに話が及ぶと……。戦争、原爆、その末の死という悲劇を味わいながらも、愛と慈しみ、ユーモアをに絶やさない2つの魂の物語。
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