「タワー」の349階に暮らす、髪の毛が長い痩身の少女は、ママと呼ばれる養育ロボットに育てられ、これまでタワーを出たことがない。少年も、灰色のか細い棒のようだ。どこもかしこも氷でできている薄暗い世界で、たくさんの「おとうさん」に育てられている。 ふたりは、期せずして「ドーム」に乗り、湖に招かれる。そこでふたりを待っていたものは……。
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美術監督・種田陽平が初の児童書『ステラと未来』を刊行。40点に上る種田氏の描き下ろしイラストも魅力。
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『ステラと未来』は、タワーの349階に暮らし、「ママ」と呼ばれる養育ロボットに育てられている髪の長い少女と、氷でできた薄暗い世界で、たくさんの「おとうさん」に育てられている少年の物語。大人になるということが、独特の世界観で描かれます。ふたりは、期せずして「ドーム」に乗り、湖に招かれますが、そこで彼らを待っていたのは……。
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種田陽平氏から――
「読むものも観るものも、刺激たっぷりの作品が世の中の主流ですが、『ステラと未来』は、表面的な過剰さをそぎ落としたとても静かな本です。少女の一言から、少年の佇まいから、読む人が感覚や想像力を起動させ、主人公たちの世界に入り込んで楽しむ余地がたっぷりある作品にしたかった。幼いころ、これはどういうことだろう、どういう意味だろう、とクエスチョン・マークが頭に浮かぶ本が好きでした。今、そういった本を挙げるとしたら、ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』、サン・テグジュペリの『星の王子様』、一連の宮沢賢治の作品になるでしょうか。答えを自分でゆっくり探していくことができる本ですね。手元においてときどき読み返す。そんな一冊にこの『ステラと未来』もなってくれたら嬉しいです」
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実写映画美術の技術でアニメーション映画の世界を三次元に建ち上げた「借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展」、また映画「思い出のマーニー」とその展覧会「思い出のマーニー×種田陽平展」などの美術監督の仕事を通して、児童向けの作品を作る楽しさを知り、経験値を高めてきたと語る種田陽平。そんな彼が、この本のために40点にのぼるイラストレーションを描き下ろしました。気鋭の作家・野山伸のシンプルで、研ぎ澄まされた文章とのコラボレーション、どうかご堪能ください。
なお、公式サイト(http://book-sp.kodansha.co.jp/topics/stella-and-mirai/)では、「ステラと未来のガイドマップ」がご覧いただけます。あわせてお楽しみください。
■もくじより
チャプター1 少女
チャプター2 少年
チャプター3 ミス・グリーン
チャプター4 湖
チャプター5 明星
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