第30回坪田譲治文学賞受賞作! 『バッテリー』のあさのあつこ氏が絶賛の青春小説。いじめの首謀者である水泳部の先輩に逆らって浮いてしまった美羽は、転校してきたヤンキー娘・幸栄に対し、「かかわりたくない」と強く意識しながらも、接点が増えていく自分に気がつく。夫から離婚された母親が自立していく過程や、病弱な弟の世話に明け暮れるクラスメートの本心に触れ、美羽は世界と自分とのつながりに目を向けはじめていく。
第30回坪田譲治文学賞受賞作! 『バッテリー』のあさのあつこ氏が絶賛の青春小説。
中2の6月、美羽は、学校というところは友だちをつくったり、楽しく過ごすための場所ではなく、「公共塾」だと考えることにした――。
いじめの首謀者である水泳部の先輩に逆らい、暴力を振るったことで、浮いた存在になってしまった美羽は、転校してきたオールドファッションなヤンキー娘・幸栄に対し、「かかわりたくない」と強く意識しながらも、まるで空気を読まずにからんでくる幸栄との接点が、どんどん増えていく自分に気がつく。
夫から「お姫様扱い」されながらも、浮気され、家を出て行かれた母親が徐々に自立していく過程や、病弱な弟の世話に明け暮れるクラスメート・唯のむき出しの本心に触れながら、美羽自身も、自分だけの世界にとどまらず、世界と自分とのつながりに目を向けはじめ、そここそが輝いていることに気がついていく。
中学2年生特有の、あのもやもやとした時期を切り取った、どこかドライで、どこかリアルな青春小説。
『バッテリー』のあさのあつこ氏が絶賛!(以下、推薦文)
ここには、少女たちの生身がある。
彼女たちは脆くも美しくも繊細でもない。
それぞれの現実を確かに生き抜いている。それだけだ。
それだけなのに、美羽の唯の幸栄の存在が
荒々しく迫ってくる。想いがゆっくりと染みてくる。
こんなにも静かで激しい物語に初めて触れた。
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