太宰治の真骨頂は短編にある。珠玉の短編5作品を俊英作家が映像化。永遠の青春文学が活字で、音で、映像で、色彩でよみがえる。
1909(明治42)年、津軽の大地主の六男として生まれる。本名、津島修治。東京帝国大学仏文科中退。左翼運動から脱落して遺書のつもりで書いた第一創作集は『晩年』。この時、27歳だった。太平洋戦争に翻弄された時代に妥協を許さない創作活動を続けた数少ない作家の一人である。薬物中毒、女性問題、自殺未遂などの波乱に満ちた生涯から生み出された作品群は現在も多くの読者の支持を受ける。1948(昭和23)年、自伝的小説『人間失格』完成の1ヵ月後に玉川上水で入水自殺をとげた。享年38。他の代表作に『富嶽百景』『走れメロス』『津軽』『ヴィヨンの妻』『斜陽』などがある。