小樽の高校に通う三冬は就職活動の真っ最中、だが今のところ全く内定が取れないでいる。いったい自分の何がいけないんだろうとふてくされながら歩いていた学校の帰り道にふと見つけたのは、つぶれそうな印刷屋さんの校正バイト募集の張り紙だった。就職試験の面接の意味も理解できないような三冬だったが、印刷所でのアルバイトを通じて、町の大人達とかかわっていくうちに、自分の役割や働く意味を少しずつ実感していく。
小樽の高校に通う三冬は就職活動の真っ最中、だが今のところ全く内定が取れないでいる。
いったい自分の何がいけないんだろうとふてくされながら、ぶらぶらと歩いていた学校の帰り道にふと見つけたのは、つぶれそうな印刷屋さんの校正バイト募集の張り紙だった。
就職試験の面接の意味も理解できないような三冬だったが、印刷所でのアルバイトを通じて、町の大人達とかかわっていくうちに、自分の役割や働く意味を少しずつ実感していく。
おせじにも優等生とは言えないごく普通の女子高校生、三冬が就職活動に苦戦しながら落ち込んだり、迷ったり、またやる気を出して不器用に頑張ってみたりする様子がとても生き生きと描かれています。また三冬を女手一つで育てた主任看護師の母、姉のような存在の新人教師、バイト先の印刷所の夫婦、町の八百屋さんや、病院の先生など、周囲の大人たちも皆それぞれが一生懸命に生きていて、大人になりかけている三冬にさまざまな影響を与えてくれます。
就職氷河期が長く続き、将来に希望が持てないでいる子ども達が多い今日、自分を取り繕って試験をうける就職活動だけではなく、自分が社会の中で本当に果たしたい役割を見つけて、会社とのいい出会いを探す就職活動もあるのではないかということを教えてくれる作品です。
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