35年間に38回のミリオンセラー<100万個販売>を達成した男

内容紹介
2011年3月。東日本大震災と福島第一原発事故で、被災地ではマスク需要が急増。瓦礫から舞い上がる埃と原発からまき散らされる放射性物質で人々に深刻な健康被害が懸念されました。そこに大量の、10トントラック3台分のマスクが緊急輸送され、自衛隊によって無償配布されました。このマスクを提供した男こそ、この物語の主人公、小山良さんです。
台湾の経済界には「永光ベンツ」という伝説があります。日本の永光と取り引きできた工場の社長は、ベンツのしかも最高級車に乗れるまでに出世する、という伝説です。実際に、かつてはうだつの上がらなかった5人の台湾人社長が、今は運転手つきのベンツに乗っているといいます。
無名の小さな会社が次々にヒット商品を生み出すことを知って、日本の二大総合商社のうちの一社が、永光の買収に動いたことがあります。株式を取得して子会社にして、将来性のある優良会社として上場させ、その後の株価高騰を狙うという錬金術を目論んでいました。商社側は、買収後の永光の社長に社員を送り込むつもりで、小山さん自身も身を引くことを了承していたといいます。ところが、商社の担当役員が内情を調べてみると、社長ひとりのアイデアで伸びてきた会社であることがわかりました。彼がいない永光は抜け殻同然です。結局、社員として小山を取り込めない限り意味がないという判断で、この買収話は沙汰やみになりました。
なぜ、小山さんは突出して成功できたのか? 何か彼なりの、筋が通った、他の商売人とはひと味違うやり方があるはずです。その秘密を解き明かすべく、嫌がる本人を説得して、四半世紀にわたるビジネス履歴を語ってもらいました。
目次
- 第一章 インフルエンザ対応マスク
- SARSと鳥インフルエンザ
- 絶望的な中国の生産現場
- 「人を育てる」ことの難しさ、楽しさ
- 二〇〇九年、マスク需要が沸騰!
- 何が決め手になったのか
- 第二章 生い立ち
- 祖父は船場の商人(あきんど)
- 通信簿は2ばかり
- 化学マニアになる
- 「山陽電鉄爆破事件」の容疑者
- 大学一年で化学学会にデビュー
- 第三章 ボウリング用薬剤
- ボウリング場レーンの塗料
- ガレージで会社設立
- 佐治敬三さんとの出会い
- 不吉な兆候
- ニッチ市場を探す
- 第四章 台湾ヒスイ数珠
- 外国人留学生との出会い
- 「感動共有ビジネス」を旗揚げ
- 台湾ツアーが大ヒット
- 貿易業に進出
- 第五章 スポット指圧ニイハオ
- 貿易ビジネスなんて簡単?
- ムーブメントの取引量で世界一に
- マーケット・リサーチの重要性
- メリットが多かった「職域販売」
- レトロなものに勝機がある
- 第六章 かるがも時計
- 「他所で人気の商品」を探す
- 「日本人には好まれない」のは迷信
- 六〇〇万個の大ヒット!
- 「永光ベンツ」伝説の誕生
- 世界の見本市の上手な見方
- 第七章 あえて手を出さなかった商品
- あえて「在庫を持つ」理由
- 「自信がないもの」は売らない
- 手を出さなかった「三角扇風機」
- 許せない、官僚の裏切り
- 中国ビジネスの陥穽
- 海外取引のトラブル対処法
- 黒字倒産の危機!
- 神頼みは大嫌い
- 第八章 ディズニー・キャラクター
- デパートが泣いた「胡蝶蘭」
- ライバルは欠陥商品なのか?
- トホホ……な失敗例
- 夢の国からの贈り物
- 第九章 VS.総合商社
- 提携交渉の「見えない罠」
- 「学ぶことは何もない」
- 全品検査の「嘘」
- ブランド企業のジレンマ
- 総合商社との「仁義なき戦い」
- アイデア傘は百花繚乱
- 第十章 フィリピン援助
- 商売とは別の国際交流
- 絶体絶命の危機
- 天国からの帰還
- 私の「ニナワ商人道」
製品情報
製品名 | 35年間に38回のミリオンセラー<100万個販売>を達成した男 |
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著者名 | 著:小山 良 |
発売日 | 2012年03月15日 |
価格 | 定価:1,540円(本体1,400円) |
ISBN | 978-4-06-217559-3 |
判型 | 四六 |
ページ数 | 242ページ |