世界の果ての魔女学校

セカイノハテノマジョガッコウ
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世界の果ての魔女学校
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内容紹介

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目次

  • ◆アンの物語◆
  • <けれども、あたしは二つめの角を左に曲がってしまったのでした。
  •  あたしは、いつもそんな調子でしたけど。
  •  街いちばんのあわてもので、なにをさせても中途半端。それで、親といい、先生といい、友だちといい、まわりの人をみんな、いらだたせてばかりの娘だったんです。
  •  でも、あのときばかりは、あたしのせいだけとはいえなかったと思います。そもそも、カテドラルの方へいくのは、初めてだったし、そのうえ、とんでもなく暗かったんです。あたしじゃなくたって、まちがえる子は、きっといたはずです。>
  • ◆ジゼルの物語◆
  • <「それは、嫉妬ですね。」
  •  黒い羅紗布をかけた丸テーブルの向こうから、そう言われたとき、驚いたのとがっかりしたのとで、あたしは息が止まりそうになりました。
  •  この人、あたしの相談を、若い女の子によくある恋の悩み、ぐらいにしか思ってない……。
  •  そんなのとは、ぜんぜんちがうの。頭がおかしくなりそうなほど苦しいのよ。> 
  • ◆アリーシアの物語◆
  • <わたしが古書店の店番をしながら、読書に没頭していたときです。突然、男の人の声が降ってきました。
  • 「これはいくらですか?」
  •  こうして書いてみると、あたりまえのせりふですが、そのときのわたしには、天使が空から舞い降りてきたように思えました。>
  • ◆シボーンの物語◆
  • <「ねえ、どうしてだれもしゃべらないの?」
  •  うすぐらい教室に、大きな声がこだましました。声をあげたのは、前から三列め、右から三番め。名前はリズ。昨日の午後、ここへ来たばかりの、十三歳の女の子です。
  • 「ねえ、どうして?」
  •  わたしが座っているのは、教室の最前列のまん中。
  •  でも、ふりかえらなくても、ぶあついくちびるがパクパク動いて、それにあわせて、鼻の両がわにちらばった小麦色のそばかすがふるえるのが、目に浮かびます。
  • 「そういう規則だからよ。従いなさい。すぐに慣れるわ。」>

製品情報

製品名 世界の果ての魔女学校
著者名 作:石崎 洋司 絵:平澤 朋子
発売日 2012年04月27日
価格 定価:1,540円(本体1,400円)
ISBN 978-4-06-216353-8
判型 四六
ページ数 322ページ
初出 『児童文芸』2008年2・3月号~12・1月号、青い鳥文庫ウェブサイトに連載していたものに大幅に加筆したもの。

著者紹介

作:石崎 洋司(イシザキ ヒロシ)

1958年東京都生まれ。慶応大学経済学部卒業。本作で2012年野間児童文芸賞受賞。「黒魔女さんが通る!!」シリーズ(講談社青い鳥文庫)は、シリーズ累計400万部と、小学生に圧倒的な人気がある。おもな著書に、『チェーン・メール』(講談社)、『黒魔女さんの小説教室』(講談社)、おもな訳書に「少年弁護士セオの事件簿」シリーズ(岩崎書店)、『クロックワークスリー マコーリー公園の秘密と3つの宝物』(講談社)ほか。

絵:平澤 朋子(ヒラサワ トモコ)

1982年東京都生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒。児童書の挿し絵の仕事に『あしながおじさん』『クロックワークスリー』『わたしのしゅうぜん横町』『緑の模様画』『トメック』など多数。レストランの内装、CDジャケットなど、幅広く活躍中。

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