きっとセックスだけがほんとうであとの世界が全部嘘なのだ。
シャープな感性とやわらかな文章、幅広い作品で読者を魅了しつづける石田衣良。なかでも女性を中心に圧倒的な支持を受けるのが恋愛小説の短編集です。
本書はセックスという切り口で恋愛や男女を描き、雑誌連載中から大きな話題を呼んだ作品。過去の石田衣良作品中、もっともセクシーな一冊です。
<CONTENTS>
◆夜あるく 恋人同士の夜の散歩。ひとけのない住宅街や公園で、二人が過ごす特別な時間とは。
◆文字に溺れて 学校の図書館で小説のエロティックな場面を読むのが好きな雄一郎。同級生のアスカにも同じ趣味があるとわかり……。
◆絹婚式 夫の性恐怖症のため結婚して十年、いちどもセックスをしたことのない二人。カウンセラーを訪れ、治療に乗り出すが……。
◆ダガーナイフ 何ひとついいことのない人生を終わらせるべく、ダガーナイフを手に渋谷の繁華街に向かった青年。交差点で殺人を決行しようとするとき、少女に声をかけられて。
◆純花 生後8ヵ月の娘を亡くした夫婦。夫婦のセックスも同時に途絶えてしまった。二人は再びひとつになることができるのか。
美しく、やらしく、かわいくて、涙が出る。
人気作家が性の極みを鮮やかに描く12ストーリーズ。
海外の避妊具メーカーが、一年間の性交回数を国別に発表しています。トップの残業時間を誇るこの国が、同時に年間最少の貧しさを記録している。その事態を淋しく思うのは、ぼくだけでしょうか。この国がGDPだけでなく、生と性のよろこびの豊かさでもトップになれる日を、ぼくは待ち望んでいます。 ――あとがきより
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