イラクにおける軍事活動で戦死した兵士の遺族を一軒一軒訪ね、黙祷を捧げ るかのように撮影は行われた。深い悲しみと主なき静けさ……。家族の”絆” が生んだ、主人公本人が写っていないポートレイト写真集。家族がいることの大切さに、改めて気付かされる。
【著者のことば】
Portraits of silence
確実に存在していた者の面影を感じて
ある母親は庭のテラスに座り、心の中で息子と話をする。また、ある母親は息子の認識表を身につけ、もう一度彼を抱きしめたいと願う。ある父親は、ガレージにある息子のバイクを大切に磨き、ある母親は夢の中で息子に励まされて眼を覚ます……。
2003年から始まったイラクでの軍事活動により、多くの兵士が亡くなりました。兵士として子供達を失った親たちの日常には今も、子供達がはっきりと存 在しています
子供達への愛と家族の絆に触れた私は、まるでその場にいるかのように、子供達の気配を感じつつ、撮影を進めました。確かに本人は写っていません。しかし私にとってこの作業は、ポートレイト撮影そのものでした。
子供達の事をいつまでも記憶として残しておきたい親達の想い、そして彼らの心の中の映像との、深い関係性が生まれていれば、と願います。 -清水 尚-
【photographer】 Hisashi Shimizu
This book is the photograph collection, feeling the spirits of those who once lived there.
A mother sits at her garden table and silently talks to her son. Another wears her son's dog tag, wishing for another hug. A father gently polishes his son's bicycles in the garage.
Since the military action in Iraq stared in 2003, many soldiers have died. In the daily lives of the
+ もっとみる