生を惜しまず、死を恐れず。
「えい政はわがままで暴虐で、仁も義もない男。必ずやこれを刺殺し、天下のために害を除かねばならぬ」
始皇帝暗殺――史上もっとも重い使命を負った刺客、荊軻の魂の軌跡を詳細に描く長編小説
紀元前3世紀、中国で初めて皇帝を名乗った秦の嬴政。その強大な標的に、小国・燕の刺客としてただひとり立ち向かった男がいた。膨大な時間を費やし、多くの人命を犠牲にして練られた暗殺計画。愛する者への断ち難い思いを断って、男は旅立つが――。
「天地は無情、人世は悽涼(せいりょう)です。天辺に月が満ち、身辺にあなたがいる。この時が永遠であったなら」
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