□RATIO05号の内容紹介──編集長から
お待たせしました。RATIO05号をお届けします。巻頭は、中国に関する大特集です。
食の問題やチベット問題、間近にひかえた北京オリンピック……あらゆる局面で話題にのぼる
「中国」とは、いったい何なのか、われわれはどう考えればいいのか。単に隣国の話ではなく、
われわれ自身の問題として、そしてすべての現代人のグローバルな課題として、深く、多元的
に、真正面からとり組んだ必読の論考群です。それぞれの論文の質、姿勢が、まさにこの現代
の課題に対する態度の表明ともなっています。味読してください。
大特集 「中国」という問題群 川島真編
■阿古智子 腐敗と格差の根源は何か――黒監獄、売血、戸籍制度…
■神里達博 毒食の理由――「食」問題とモダニティ
■阿南友亮 中国人民解放軍の実像――増強を続ける「不透明」な軍隊を検証する
■川島真 「歴史」という資源とガバナンス――日中間の難題を解くために
■加茂具樹 胡錦濤政権と人民――「秩序ある政治参加」のゆくえ
■若田部昌澄 経済学は中国について何を語るか
■佐藤雅代 水資源から見る環境問題
大特集II 社会思想の最前線
■マルセル・エナフ 贈与の人間学と社会的承認
■春木奈美子 到達せぬ苦悩――主体の不可能性をめぐって
■苫野一徳 どのようは教育が「よい」教育か――ヘーゲル哲学の教育学メタ方法論への援用
大特集III 哲学の試み
■鬼界彰夫 「私」はなぜ存在するのか――ウィトゲンシュタインから原制度世界へ
■伊勢田哲治vs.戸田山和久 実在論論争――(5)天文学者は実在論者になれるか
いずれも、人が現代を生きるうえで大切なことにつながるテーマであり、論考です。
哲学・思想の面白さをぜひ味わってください。(編集長・上田哲之)
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