人生を幸福にしてくれるピアノの話

快感、個性、情熱、孤独、そしてリズム。

長い道のりなら、よけいに自分の歩幅で歩んでいくほかない。隣の小節線、向かいの小節線……。他人のテンポや歩み方に惑わされ、自分を見失ってはならないのだ。たとえ人より歩み方が遅かったとしても、かならずその人の目指す先にたどり着けるはず。それが私の信念だった。（中略）これからも私はそうやって歩んでいくだろう。人生という楽譜に自分なりの小節線を刻みながら。どんなことがあろうと、新しい道、新しい可能性はかならずどこかに開けるはずだと信じて。