追悼・藤原伊織
最後の謎。作家は何を企んでいたのか。
著者が闘病中も書き続けた表題作と、遺作となった中編「オルゴール」を収録。
ネット上の対戦ゲームで出会った男と女。正体不明の男に監視されながら、2人は奇妙に繋がり合っていく。
パリテキサスに再会――といってもネット上だから、顔さえ見当もつかない――したのは3日後、金曜の真夜中2時ごろだった。テーブルを用意して対戦相手を待っていると、あ、ジャムライスさんだ、とあらわれたのが彼女だった。
――こんばんは。早い偶然ですね。
――探していて見つかったの。よかった。
――<本文より>
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