迷子のクジラが教えてくれた人生の大切なこと。海で起きた奇跡の実話。
『マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと』著者ジョン・グローガンも絶賛！
赤ちゃんクジラは、ほんの数センチほどのところにまで近づいてきて、からだにさわらせてくれた。体表は弾力があり、キノコのようで、ぜんぜんぬるぬるしていなかった。わたしが触れると、表面が少しくぼんだ。わたしは彼の頭に手をのばし、くぼみに触れ、それからからだの下に手をすべらせて微笑んだ。彼はわたしを信用して、からだに触れさせてくれた。わたしたちは別々の世界のものなのに。ちがった生き物なのに、なぜか心をかよわせることができた。――＜本書より＞
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