さわやかに のびやかに きらめいて 小澤征良 初の青春小説 ――なんて深くて、なんて大きな夜だろう。立ち止まった私は、そのまま夜空をあおいだ。気をつけないと、そのまま宇宙の果てに吸い込まれてしまいそうで目眩がした。深い夜空の中で自分という輪郭があやふやになってゆく感覚が心地よかった。わたしは完全な自由を思い切り抱きしめてみる。――<本文より>