世界は波でできている
次々に難題を出す謎の女主人。執事となった借金男が思いついた、波紋とシマウマと世界征服が一度に見える奇案が生む不測の結末
「百歩譲って<幸福の手紙>が善と悪を両立させた存在でないとしても、これをヒントに、これから私たちがやろうとしているネズミ講をそのようなものにすることは可能だと思います。つまり、善そのものを、悪であるネズミ講のしくみのなかで広げていくようにするのです」絹子さんの顔がぱーっと輝いた。俺は勝利を確信した。「それって、とってもおもしろそう。で、具体的には、どうやるの」――<本文より>
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