書画、骨董、現代美術、果ては木っ端や石くれまで、先生の眼鏡にかかれば、真の価値が見えてくる。 平成随一の目利きが美にまつわる難事をさばく。 稀代の蒐集家(コレクター)か、美に操られる「使いっ走り」か。 「気に入る花がないから、描けない」 椿絵作家として出世した関屋は、「百椿図(ひゃくちんず)」完成を前に行き詰まっていた。我楽多(がらくた)満載のワンボックス・カーで駆けつけた佛々堂先生が仕掛けた「お節介」とは?――平成の魯山人の活躍を描く全4篇