著者が厳選した73の映画 男と女 73通りの恋のゆくえ 映画という至福 ――だから私は、“映画の夜”を自ら作る。カーテンを閉じた居間の中、照明を落とし、電話を留守番電話にセットする。時に窓を叩く木枯らしの音や雨の音が少し混じる。遠い雷鳴を聞くこともある。だが、映像に没入していくに従って、それも耳に届かなくなってくる。時がたつのも忘れていく。……これが人生の至福でなくて、何であろう。――(「あとがきにかえて」より)