完全自供

完落ち！！

ベストセラー『墜落遺体』の著者が、自身も捜査に加わった大久保清事件を担当した捜査官に直接取材。8人の若い女性が殺害されたこの事件、捜査官はいかにして、稀代の殺人魔に口を割らせたか！

一瞬にして、潤んだ瞳は飢えた獣の目のように乾き、白んだ顔には、いつの間にか狂気がただよっている。口もとが、ピクピクと震えだし、目尻がつりあがる。「小さな人間の最後の抵抗だ。肉親に裏切られ、前科者としてしいたげられた人間はこれほど悪くなるんだ、と世の中の人に知らせてやるんだ。極刑に情状なんて、必要ないんだ。だから最後まで闘って反骨を示す覚悟なんだよ。取調官にはすまないと思うが、俺の最後のあがきだ、と思ってくれ。これから、もっと悪いやつだということがわかってくるよ」大久保はわめきちらした。そしてまた、黙秘に入った。――本文より抜粋