日本の春夏秋冬をこよなく美しく言い止めた折々の名句鑑賞
現代俳句をリードする3人が、みごとな名文でつづるリレー歳時記。
俳句の鑑賞力=俳句力がワンランク・アップする格好の俳句案内。
――春夏秋冬、旬の名句を集めた鑑賞歳時記――
〈春〉
菫(すみれ)程な小さき人に生れたし (夏目漱石)
春の月噴水は水脱ぎにけり (鳥居真里子)
〈夏〉
飛込の途中たましひ遅れけり (中原道夫)
晩夏光ナイフとなりて家を出づ (角川春樹)
〈秋〉
子にみやげなき秋の夜の肩ぐるま (能村登四郎)
行秋や抱けば見に添う膝頭 (炭太祗)
〈冬〉
凍らむと身をねぢりたる水ありき (仁藤さくら)
海すこし近くなりたる二月かな (須田保子)
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