愛と哀しみの傑作!
人間の顔とは何か?
北海道を舞台に、小児ガンの子をもつ飛びきり美しい母親と青年医師の悲痛な愛のゆくえをさぐる清新な筆致!
本書は、日進月歩の最新医療現場を舞台に、医学とは何か、という根源的テーマを扱った最も今日的な医学小説である。
小児ガンを患い顔の半分を失うことになった子どもをめぐり、医療行為の迷路に踏み込んだ青年医師と、その両親を中心に、医療現場の関係者たちの緊迫したドラマが重厚かつクールな筆致で描かれている。特に医師と美しい母との間で展開する“死と生”を凝視した密度の濃い愛憎劇は、現代人にとって“癒し”とは何かを問いかけており、胸に迫るものがある。人間を書ける大型新人の出現を素直に喜びたい。
待望久しい医学恋愛長篇の誕生である。――(菊池仁)
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