犬が書いた日本と日本人の嘘とマコト。犬の視点は鋭い!!
英国の新聞「ザ・タイムズ」東京支局長の協力をえて、マコ記者が駆けまわり嗅ぎ集めた数々の特ダネ。苛め、動物虐待、官民癒着や天下りなど、犬も住みにくい日本の真実をレポートする!!
読者は新聞の紙上で、私の署名記事をめったに見ることはないだろう。それでも、私は日本について報道するに当たって、つぎつぎと秀逸な記事を送っている。
けれど、マコという名前はあまり出さないことにしている。もし、そうしたら、2本足で立っている犬たち(注・独裁者のこと)が、4本足の犬がそんな優れた才能を持っていると、頭から信じないからである。
犬記者(ドッグ・レポーター)だって?私には日本の独裁者たちが高笑いしている声が聞こえる。しかし、永久に真実を隠し通すことはできない。真実はいつか、明るみに出るものだ。遅かれ早かれ、記事に私の鼻や尻尾がかかわっていることが、知られることになるはずだ。――「あとがき」より抜粋
「私は皇太子妃の雅子さまが誕生日の記者会見で、われわれ犬を高く評価したことによって大いに励まされた。雅子さまはご夫婦と暮らしている仲間に触れて、『夫婦喧嘩は犬も食わぬと申しますけれども、喧嘩の種をよく拾って食べてくれる気がいたします』といわれた。この発言は、犬の存在が家庭にとっていかに大切なものなのか認めたものだった。どうして、この国でもこのように大切なことが、もっと以前から口にのぼらなかったのだろうか。われわれ犬は人間関係を滑らかにし、和を強め、独裁者をさいなむストレスを軽くする。マスティ夫婦の絆を見よう。私は2人の間に喧嘩の種が芽を出す前に、種ごと飲み込んでしまう。私が吐き出す空気が甘く芳しいから、2人を平和でもって包む。妃殿下は的を射られていたのだ」
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