2010年日本は10%の富者と90%の貧者に大分裂する!
ビッグバンから10年英国市民を襲ったものは何か?
日本人は今歴史最大の岐路に立たされている!
田中勝博。1964年生まれ。家庭崩壊、両親の離婚、義母との不和、家庭内暴力……少年時代は食事も満足に与えられなかった。中1からは新聞配達をして、参考書代や食費を稼いだ。給食のなくなった高校時代は、昼食をとった記憶がない。
が、ぐれてやろうと考えたことは1度もなかった。ただ、負けたくなかった。
奨学金を手にして、北大に合格した。大学1年の夏、ヒッチハイクでたどり着いた広島で、イギリス人の女性と出会った。
彼女がくれたチケットで、ボストンバッグひとつを下げ渡英した。19歳の春だった。
……5年後、イギリスで1、2を争う証券会社で史上最年少の取締役になった。
だからこそ、この本を書きたかった。だからこそ、ぬるま湯に浸かった日本人が、歯がゆくてしかたがなかった。
日々繰り返される暴力……。私が気に入らないことをしたり、粗相をすると、継母は靴べらや布団たたき、ひどいときにはゴルフクラブで殴った。
(中略)が、この頃育ち盛りだった私がもっとも辛かったのは、食事を与えられなかったことである。(中略)朝食抜きで学校に行って、お代わりができるときはたらふく食べ、給食が残れば、それを鞄に忍ばせて家に帰った。
そして、継母に見つからないように、夜中にこっそり押入のなかで食べた。
最近のある新聞社の調査で、男性の63パーセント、女性の53パーセントが
「経済的には貧しくても幸せな生活を送れる」と答えている。
大量消費社会に疲れた人たちの本音と、好意的に考えることもできる。
しかし、こう答えた人たちは、本当の貧しさを知っているのだろうか。
しかも、自分が経済的落伍者になることなど、つゆほども疑っていないのではないだろうか。
いま評判のシティバンクも、堂々と「金融資産1億円以上のあなたへ」という広告を打っている。
もう「選別」は始まっているのだ。──(本文より)
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