「命のビザ」の杉原千畝とアメリカ日系人部隊の勇気!!
ホロコーストを生き抜いたユダヤ人少年の感動の手記!!
稀有のドキュメントであり、感動の手記である。しかも、日本人にとってことさらそうなのだ。
感銘深い第1の点は、ホロコーストの危難に直面したユダヤ人に、救いの手をさしのべた勇気ある日本人がいたこと、そして、死の瀬戸際にあったユダヤの人びとを助けだし、ジェノサイド(大虐殺)から解放した心優しき同胞が存在したこと、その証言だろう。勇気ある外交官センポ・スギハラ、心優しき兵士クラレンス・マツムラ、本書は深い感謝をこめて、今は亡きこのふたりに捧げられている。(中略)
そして感動の第2は、本書がまさに「ホロコーストを生きぬいた少年ソリー」の回想にほかならず、思春期のユダヤ少年とその一家のサバイバル・ドラマそのものである点だ。鮮血に彩られたそのドラマを、私たちは息をのみながらともに生きることになる。(中略)
そして第3の感興は、つぎの点にある。
このサバイバル・ドラマの展開するのが、バトル三国のひとつ、リトアニアであり、その周辺のポーランド、ロシア、ベラルーシであり、旧プロイセンをふくむドイツであることだ。いいかえれば、私たちの生きてきた「戦争と革命とジェノサイドの世紀」の重要な舞台でありながら、縁遠い世界、なじみ薄い歴史に属してきた暗部が、共感をそそる現在地として私たちの前によみがえることである。(後略)――「訳者まえがき」より抜粋
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