どこまでが現実? どこからが蜃気楼?
遠い空、遠い過去へと誘う砂漠の町のファンタジー
骨董通りのショーウインドーで、ふと目にした一枚の絨毯……。
たくさんの野の花を織りこんだその絨毯にみちびかれるように、わたしの旅ははじまったのでした。
ショーウインドーに飾られたその絨毯に出あったとき、わたしはそこからはなれられなくなってしまいました。まるで、なにかにとりつかれたように、魅せられてしまったのです。それは、薄紅色のひなげしのような花を一面に織りこんだものでした。(中略)あのときの絨毯への思いはその後、弱まるどころかますます強くなって、この物語を書くきっかけとなりました。――「著者あとがき」より
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