老いと死、それは人間のエゴを赤裸にする。 老人医療最前線の名医が綴る実践的生き方・死に方論! 一般に、年をとるということは、生きる条件が日を追って悪くなることを指し、今日が最もいい状態であることなのです。(中略)それゆえ、老人には、弱い、衰えた、不健康な、寝たきり、ボケ、老残、老醜、役立たず、用ずみの厄介者、傍迷惑な存在などという、概して、暗くて否定的なマイナスイメージがつきまといがちです。(中略) 老いとは、本当にそんなにマイナス面ばかりなのでしょうか。生まれたものが成長して、時間を経て古くなるのはごく自然であって、とくに異常でも何でもないと思うのです。――(本文より抜粋)