日本エッセイスト・クラブ賞受賞作
文豪の知られざる実像に出会う驚き、名作誕生の秘話を読む喜び
昭和28年、24歳の著者は京都下鴨潺湲亭で68歳の谷崎に出会う。爾来、死にいたるまでの12年間、口述筆記を中心とした秘書としての仕事を通して文豪の日常をみつめつづけた。晩年の心境と死生観、名作誕生にまつわるエピソードらに”幻の小説”の構想など、著者ならでは知りえなかった貴重な事実を細やかな観察眼で描き出した本書は、作家の魅力を伝えると同時に、谷崎文学理解のための得がたい記録ともなっている。東京新聞連載「文豪の日々」に大幅に加筆した待望の1巻。
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